泣いて笑って腹落ちするSF小説『プロジェクト・ヘイル・メアリー』。

どうも、週末翻訳家です。


散歩のおともにAudibleがめちゃくちゃ合うことにいまさらながらに気づき、聴きまくっている今日この頃です。

聴いていたら、いくらでも歩ける!


さて、今週からアンディ・ウィアー著『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を聴き始め、上巻を2日、下巻を3日で聴き終わりました。

ふつうに聴くと各巻およそ13時間かかるので、1.7倍速で。

それでも各巻7時間くらいかかりました。

その間ずっと散歩していたわけではありません。

散歩から帰っても聴き続け、下巻のフィナーレは夜なべして聴きました。

それくらい熱中させられた、超おもしろいSF小説でした。


第一章の出だしからして、つかみは抜群。

主人公がどこにいるのか、誰なのか、どういう状況にいるのかが徐々に明らかになっていく構成となっており、謎を一緒に解いていっているワクワク感があります。

物語中盤に出てくるとある登場人物が、理由があってなんともイメージしがたい容貌なのですが、だんだんと可愛く感じて愛着を覚えるようになる不思議。

ネタバレできないので抽象的な言い方になるのですが、これは「理論を知る人」と、「それを実用する人」、科学者とエンジニアの理想的な協業の物語でもありました。

とにかく二人の協力がガッチリ噛み合う感じが、とても気持ち良い。

すべての研究と応用が、このように幸せなタッグであれかし。

また自己犠牲の物語でもありますが、辛気臭さはみじんもなく、人物たちは過酷な状況下での知的探索を楽しむ余裕があります。

物語中、これでクライマックスか?と思う箇所が3回くらい訪れ、面白の最高潮が何度も味わえました。最後から2番目の章からは、我慢できず夜なべしてフィニッシュしました。

主人公が最後の重大な決断を残したまま物語は終わるのですが、それを結局「しない」ことを決断したんじゃないかなと私は思います。

なんとなく。

少し切ないけれど、人類への強烈な不信感と、それと同じくらい強烈な信頼感の結末としては、それが一番しっくりくるかな。


ひさしぶりに一気読み(聴き)した小説でした。

おためしあれ!





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